フリーランスの歯科衛生士とは?独立して働く方法

勤務先やセミナーで講演や指導する歯科衛生士を見て「かっこいいなあ」と思っていた時代がありました。

17年前、学生時代の講義の時間で「歯科衛生士でも年収600万円を稼ぐ人もいるんですよ」と聞いて、いつかわたしもそんなフリーランスの歯科衛生士になりたいと憧れたものです。

今回この記事では、フリーランスの歯科衛生士と会社や企業に勤務する歯科衛生士との違いや、メリットデメリット、歯科衛生士の資格を活かしたフリーランスの仕事内容をご説明します。

「歯科衛生士の仕事は好きだけど雇用条件に不満がある」「フリーランスについて気になる」なら目を通してみてくださいね。

フリーランスの歯科衛生士とは

フリーランスの歯科衛生士とは特定の企業やクリニックに所属せず、個人で仕事を請け負う歯科衛生士のことを指します。

一般的な雇用契約とは違い、自分のスキルを活かして仕事をする業務委託となります。

時間や場所にとらわれず自由で華やかに見えますが、自分で仕事を獲得するための活動や報酬の交渉、保険や税金の手続きに加えて経理も自己責任で行う必要があります。

大変なことも多いですが、自由で高収入を得られる可能性が高いフリーランスになる歯科衛生士も少しつ増えてきています。

歯科衛生士がフリーランスで働くメリット

やりがいを感じながら仕事ができる

フリーランスの仕事は上から指示された仕事をこなすのではなく、自分の得意なことを事業所に提供するためやりがいを感じながら働くことができます。

雇用されていると雑用や何かと仕事が多くてバタバタしがちですが、フリーランスであれば契約内容以外の仕事をする必要もありません。

雇用主と従業員といった上下関係ではなく、対等な立場で仕事ができるため「自分で決めて行動したい」人には向いているでしょう。

収入が増える可能性が高い

今までの経験を活かして営業活動をすれば、報酬の交渉次第では今よりも収入が格段に上がる可能性があります。

雇用されている状態だと賃金アップはなかなか難しいことも多いですが、フリーランスは自分の経験や価値を売りにする仕事なので、交渉も容易です。

歯科衛生士はひくてあまたなため、特に歯科医院で働くなら収入アップが見込めるでしょう。

「こんなに頑張っているのにお給料が低い」というフラストレーションもなくなります。

自分のペースで働ける

人数が少ないクリニックだと休みが取りにくく、わたしが正社員の時は有給休暇を1日取るだけでも周囲のスタッフに気を遣っていました。

フリーランスの場合、自分で自分の仕事の量を調整できるため、好きな時に休んだり働いたり自由度が上がります。

自分のペースで好きなように働けるのはフリーランスの大きなメリットでしょう。

歯科衛生士がフリーランスで働くデメリット

自己責任で行動しなければいけない

雇用されている場合、用事や病気で働けない時は有給休暇、妊娠して出産前の休業にあたる産休や育休の給付金、介護によって仕事を休まざるを得ない場合の介護休業給付金など様々な手当がありますが、フリーランスにはありません。

また、健康保険や年金も自分で手続きをしたり、事業所が全て行っていた年末調整の代わりに確定申告を自分で行う必要があります。

自由度が高い代償として、自己責任で行動しなければいけません。

開業すると失業保険が出ない

フリーランスとして活動するために開業届を提出した場合、失業保険はもらえなくなります。

失業保険とは仕事を辞めた人が次の勤務先を決めるまでの生活を安定させるための保険なため、開業すると仕事をしているとみなされます。

したがって現在雇用されている状態で開業届を出してしまうと、仕事を辞めて準備期間が必要な場合でも失業保険がもらえないため、提出時期には注意が必要です。

仕事によっては一般教養が身に付いていないと厳しいこともある

一般の歯科クリニックで問題なかったことが、企業で働こうとすると戸惑うことも多々あるかと思います。

以前わたしが一般企業に面接してもらった時「歯科衛生士はあいさつからメールの内容、レスポンスまで悪い人が多い」と言われたことがあります。

歯科衛生士は就職に困らない職業のため、衛生士の専門学校での勉強で面接の練習や履歴書の書き方、基本的なビジネス教養が欠けていることが多々あります。

フリーランスとしてクリニック以外で働いてみたいと思われている方は、まずは基本的なビジネスの勉強からお勧めします。

歯科衛生士がフリーランスになる方法

フリーランスになるために必要なものはありませんが、開業届を提出すれば、個人事業主になれば節税ができる青色申告での確定申告や、退職金のないフリーランスのための小規模企業共済に加入ができるメリットがあります。

小規模企業共済は全額が所得控除の対象になるため高い節税効果が期待できます。

フリーランスでしっかり働いていく意思が固まっているのであれば、開業届を出すことを強くお勧めします。

フリーランスの仕事内容

臨床での衛生士業務

歯科衛生士が不足している中、経験豊富な人材には価値があります。

クリニックによっては相場の1.5から2倍の報酬を支払ってでも、自身の医院に来てほしいと思っています。

「自分には得意なこともない」と感じていても、患者さんとの対応や教育しなくても仕事ができる即戦力だけでも充分なのです。

大規模なグループ経営のクリニックはいつも人材不足のため、交渉もしやすいでしょう。

講演会やセミナーの講師

特化した知識や技術があれば、講演会やセミナーの講師の選択もあるでしょう。

1回の講演で数万円以上いただけるので、人前での発表や教育が得意な方はやりがいも感じて報酬も高い仕事となります。

歯科に関連した執筆活動

歯科衛生士の知識を活かしてライターや本の執筆のお仕事ができます。

治療内容を患者様に分かりやすく説明したり、お仕事で体験したことを記事にしたりとコツコツ継続して勉強できる方にはお勧めな仕事です。

スタッフの指導

クリニックに出向いて新人スタッフの教育や、技術向上のための指導を行います。

こちらも前述した講師のようなものですが、人前での演説ではなく、より細かい指導ができて人材教育に特化したお仕事です。

SNSや動画配信などの広告収入

インスタグラムやTikTokといったSNSや、YouTubeなどの動画配信で広告収入を得ている方もいます。
またブログやアフィリエイトでも収入を得ることができます。

いつも情報収集のアンテナを張ってコツコツ定期的に発信する必要がありますが、制作したものは資産となって働かなくても収入源になります。

どのフリーランスでもSNSやブログ等は自分をアピールする場になるため、「フリーランスになる!」と決めた時には仕事専用の発信の場を設けることをお勧めします。

歯科衛生士のフリーランスは挑戦する価値あり

歯科衛生士のフリーランスのイメージが少しはできたでしょうか。

憧れとともに不安や心配ごともあると思いますが、現状に不満があるのなら挑戦する価値はあると思います。

わたしも子どもが3人いて正社員になることが難しく、希望の報酬額にならないのと、いつまでも従業員の立場で働き続けることに将来の不安を感じて開業することに決めました。

今後もわたし自身の開業への記録を記事にしていきますので、また参考にしてみてくださいね。

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