もし「自分の得意分野を活かして、好きな時間に働ける」としたらどうでしょうか。

近年、歯科衛生士の中でもフリーランスという新しい働き方を選ぶ人が増えています。

自由度が高く、収入アップも期待できる一方で、注意すべき点もあります。この記事では、そのリアルをお伝えします。

フリーランスの歯科衛生士とは

フリーランスの歯科衛生士とは、特定のクリニックや企業に所属せず、個人で仕事を請け負う歯科衛生士のことを指します。

雇用契約ではなく、業務委託契約として自分のスキルを活かして働くスタイルです。

時間や場所にとらわれない自由な働き方に見えますが、実際には仕事の獲得、報酬交渉、保険や税金の手続き、経理管理もすべて自己責任で行う必要があります。

大変なことも多い一方で、高収入を得られる可能性自由な働き方を手にできる魅力もあり、近年はフリーランスを選ぶ歯科衛生士も少しずつ増えてきています。

フリーランスで働くメリット

やりがいを感じやすい

自分の得意分野を提供するため、指示に従うだけの仕事よりもやりがいを感じられます。契約内容以外の雑務も少なく、上下関係に縛られずに働けます。

収入アップの可能性

経験を活かして営業・交渉を行えば、収入が格段に上がることもあります。特に人手不足のクリニックでは高報酬が期待できます。

自分のペースで働ける

休みが取りやすく、仕事量を自分で調整できるため、ライフスタイルに合わせやすい点が魅力です。

フリーランスで働くデメリット

自己責任が増える

雇用されている場合、用事や病気で働けない時は有給休暇、妊娠して出産前の休業にあたる産休や育休の給付金、介護によって仕事を休まざるを得ない場合の介護休業給付金など様々な手当がありますが、それはありません。

健康保険や年金の手続き・確定申告もすべて自分で行う必要があります。

失業保険がもらえない

フリーランスとして活動するために開業届を提出した場合、失業保険はもらえなくなります。

失業保険とは仕事を辞めた人が次の勤務先を決めるまでの生活を安定させるための保険なため、開業すると仕事をしているとみなされます。

したがって現在雇用されている状態で開業届を出してしまうと、仕事を辞めて準備期間が必要な場合でも失業保険がもらえないため、提出時期には注意が必要です。


ビジネススキルが必要になる場合も

企業での仕事や講師活動を目指す場合、挨拶・メール・マナーなどの一般的なビジネススキルが求められます。

歯科衛生士がフリーランスになる方法

フリーランスになるために特別なものは不要ですが、開業届の提出をお勧めします。

個人事業主になれば節税ができる青色申告での確定申告や、退職金のないフリーランスのための小規模企業共済に加入ができるメリットがあります。

小規模企業共済は全額が所得控除の対象になるため高い節税効果が期待できます。

フリーランスの仕事内容

臨床業務(歯科医院勤務)

経験豊富な人材は高報酬で求められるケースが多いです。

講演会やセミナーの講師

専門性を活かして教育や発信を行います。

歯科に関連した執筆活動

歯科衛生士の知識を活かしてライターや本の執筆のお仕事ができます。

治療内容を患者様に分かりやすく説明したり、お仕事で体験したことを記事にしたりとコツコツ継続して勉強できる方にはお勧めな仕事です。

スタッフ教育

クリニックに出向いて新人スタッフの教育や、技術向上のための指導を行います。

こちらも前述した講師のようなものですが、人前での演説ではなく、より細かい指導ができて人材教育に特化したお仕事です。

SNSや動画配信などの広告収入

インスタグラムやTikTokといったSNSや、YouTubeなどの動画配信で広告収入を得ている方もいます。
またブログやアフィリエイトでも収入を得ることができます。

いつも情報収集のアンテナを張ってコツコツ定期的に発信する必要がありますが、制作したものは資産となるでしょう。

歯科衛生士のフリーランスは挑戦する価値あり

フリーランスの働き方には、自由や高収入の可能性と同時に、自己責任の大きさというリスクもあります。

しかし、現状の働き方に不満や不安があるなら、挑戦する価値は十分にあるでしょう。

私自身も子どもが3人いて正社員として働くのが難しく、希望の収入も得られない現状に不安を感じ、独立を決意しました。

「でも急にフリーランスになるのは怖い」ですよね。

まずはスキマ時間で在宅ワークを経験して、仕事の幅を広げてみるのはどうでしょうか?